facebookより、気になる記事の抜粋。

 良い農法でイネを育てると、田んぼがホタルだらけになり、ホタルが2000匹になると、人が2000人集まり、その何人かは、「そのお米を食べたい」と述べるそうですが、最近の人が思い描く”良い仕事”とは、オンライン上に実体のないものを作り上げ、そこからどうにかして課金していくものが多く、長い間、物理的なものに触れない期間が続くと、何となく自分が宙に浮いているような気がして、心落ち着かない経験は誰にでもあるのではないでしょうか。 「バカの壁」の著者として知られ、東京大学名誉教授でもある養老孟司さんは次のように述べています。 「私は敗戦時に小学2年生だった。あの社会的な価値の転換を見てしまうと、モノに直接携わることの大切さがしみじみとわかる。モノに関わらないと、むしろ不安でしょうがない。こういう時代にモノに携わったり、ごくふつうの日常を研究している人に会うとホッとする。」

 現代では、環境省というものがありますが、江戸時代の人には「環境」という概念はなく、日本人は田んぼのコメや海の魚を捕って食べて生きているのだから、田んぼや海は自分の一部で、自然を大事にするのは当たり前のことでした。 なんでも、東京の食料自給率は1%ほどしかなく、ほとんどの人がビルに押し込まれた会社勤めをしていますが、もともと日本人の9割は農村の子孫で、農民の遺伝子を受け継いていることを考えると、コンクリートのビルの中でサラリーマン生活をしている方がよっぽど不自然で、この妙に心が落ち着かない感情の揺れは、直接モノや自然に触れなくなったことが大きな原因なのかもしれません。

 ジョージ・ソロスのパートナーとして知られ、冒険投資家としても知られるジム・ロジャーズは、安倍総理は日本を破綻させた人物として歴史に名を残すと述べた上で、「金融の時代は終わった。農業をやろう。」と述べていますが、どれだけアベノミクスで景気が一時的に回復しているように見えても、恩恵を受けているのは土建関係の企業や一部の大企業だけで、99%以上が中小・零細企業である日本では、「景気がよくなった」とマスコミやメディアがいくら盛り上げても、現状は全く変わっていません。

 ・・・・・(中略) 

  もともと日本人は自然を愛する優しい人種でした。しかし、何が日本人の心を変化させたのかは分かりませんが、過去50年、経済繁栄と引き換えに失ってしまったものが多いのも事実です。 以前の記事でも述べていましたが、「龍馬がゆく」などの著者として知られる、故人・司馬遼太郎さんは、「今の日本人の大多数が”合意”すべき何かがあるはずで、不用意な拡張や破壊を止めて、自然を美しいものとする優しい日本に戻れば、この国に明日はある」という言葉を残しました。 モンゴル800も沖縄の自然が破壊されていく中で、「平和願い叫ぶ前に、これ以上自然を壊さないで」と歌い、当時の社会情勢に敏感であったブルーハーツも、「1985 (年)今、この空は神様も住めない。 そして海まで山分けにするのか。誰が作った物でもないのに。 選挙ポスターもあてにはならない。」と、ひたすら社会に対して歌い続けました。

 自然を壊し続け、また新しいビルを建て続ける、終戦から70年経った現在でも、過去の価値観から抜け出せない私たちは未だに、「戦後」の日本を生きているのでしょう。 不用意な拡張や破壊を止めて、自然を美しいものとする優しい日本に戻った時、初めて、「戦後」は終わったのだと自己満足していいのではないでしょうか。 


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